薄膜試作 事例紹介

劈開可能な自立ダイヤモンド膜の作製

弊社ではダイヤモンドのエピタキシャル成長に関して次のような学会発表をしました。

:平成11年3月29日
:東京理科大学
学会名:応用物理学会
鈴木 一博(Kazuhiro Suzuki)
福田 秀夫(Hideo Fukuda)
澤邊 厚仁(Atsuhito Sawabe)
(株)トウ.プラス(TO-PLAS corporation)
青山学院大学(AOYAMA-GAKUIN university )
図-1
劈開された自立ダイヤモンド膜のSEM像
我々は、直流プラズマCVD法によってイリジウム表面に非ダイヤモンド炭素や炭化物をほとんど含まないダイヤモンド薄膜をエピタキシャル成長できることを報 告してきた。今回は、その薄膜を自立化し評価を行った。ダイヤモンドの成長条件 は文献(1)で述べられている。イリジウム薄膜の下地である酸化マグネシウムは 硝酸で除去し、イリジウムは、スズ鉛共晶はんだと300℃で合金化した後に硝酸 で除去した。得られた自立膜は、この後<110>方向に劈開され成形された。  劈開された膜断面のSEM像を図-1に示す。表面と断面の成す角度は約55度 である。この角度は、立方晶における(111)面と(100)面の成す理論的角 度である54.47度にほぼ一致している。従って断面はダイヤモンドの代表的劈 開面である(111)面であると考えられる。また、自立膜の両面とも反射電子回 折ではエピタキシャル成長したダイヤモンドに対応するパターンのみが観察された。 さらに、共焦点ラマン分光法では、膜中のどの深さにおいてもる非ダイヤモンド炭 素の存在は確認されなかった。
参考文献(1)K.Suzuki,H.Fukuda and A.Sawabe:Reprint from Proc. of The ISAM`98

イリジウム表面へのダイヤモンドのエピタキシャル成長

弊社ではダイヤモンドのエピタキシャル成長に関して次のような学会発表をしました。

:平成10年12月16日
:大宮ソニックシティ
学会名:マイクロエレクトロニクス実装学会
鈴木 一博(Kazuhiro Suzuki)
福田 秀夫(Hideo Fukuda)
澤邊 厚仁(Atsuhito Sawabe)
(株)トウ.プラス(TO-PLAS corporation)
青山学院大学(AOYAMA-GAKUIN university )
  1. 1.はじめに

     ダイヤモンドの抵抗率は室温で1016Ωcmと溶融石英の1018Ωcmに次ぐ大きな値であり、通常は絶縁体である。しかし、ホウ素やリンを不純物としてドープすればキャリヤを放出する準位を形成でき、p型(1)およびn型(2)半導体とすることができる。ダイヤモンドは、その禁制帯幅が5.48eVとシリコンやガリウム砒素の数倍と大きいことから、数百度の高温下でも使用可能な半導体材料として期待されている。また、比誘電率は5.7でシリコンやガリウム砒素の2分の1程度と小さく、キャリア移動度はホールの場合にシリコンやガリウム砒素の5倍程度である2100cm2/Vs、電子の場合にシリコンの1.3倍程度である2000cm2/Vsと大きいため、高速動作も期待される。さらに、熱伝導率は25℃で20.9W/cmKと銅の5倍以上であることから放熱板やハイパワー素子への応用も期待されている。
     これらダイヤモンドの基本的に優れた性質をできるだけ損なわずに実際の電子デバイスに活用しようとする場合、その薄膜化、特に異種基板表面へのエピタキシャル成長技術の確立が重要である。これまで、ダイヤモンドをエピタキシャル成長させるために用いられた基板は、主に立方晶窒化ホウ素(3)、ニッケル(4)およびシリコン(5)であった。しかし、いずれの場合にも、大面積化、ダイヤモンド結晶粒子の侵食、傾き、不要な炭化物層の成長などの問題点があった。ここでは、これら諸問題を解決し得る方法として近年我々の研究グループによって報告されたエピタキシャルイリジウム薄膜表面へのダイヤモンドのエピタキシャル成長法(6-8)を用い、比較的厚いダイヤモンド膜を作製し、その結晶学的評価を行ったので報告する。
  2. 2.イリジウムを基板に選択した理由

     ダイヤモンドのヘテロエピタキシャル成長条件を検討するにあたって、まず、現状の水素を用いた系においては実用的な成長速度が得られる基板温度が800℃程度以上であることが基板の選択範囲を著しく狭めていると考えた。また、一般的にこの800℃程度の基板温度の役割は主にダイヤモンドの結晶化ではなく表面を終端している水素の適度な脱離であるとされている。すなわち実用的な成長速度が得られる基板温度を低下させ基板の選択範囲を広げるためには特殊な場合を除いて炭素-水素間の場合よりも小さい結合エネルギーを与え、かつ水素と同程度のサイズを有する元素を水素の代わりに用いることが必要であると考えた。しかし、少なくとも、水素のような一配位であるフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲンでは希望の結合エネルギーとサイズの両立が困難であることは明らかであり、酸素のような二配位の元素については(100)面以外での表面の安定化は困難であり良質のダイヤモンドが得られにくいように思われた。このような理由で、水素を用いることを前提とした上で、ダイヤモンドのエピタキシャル成長に有効な基板材料を再検討した。基板の選択条件は以下のように任意に定めた。 (1)結晶系が立方晶であり、ダイヤモンドとの格子ミスフィットが10%以下である。
    (2)室温から1000℃において炭素との相図上で炭化物を形成しない。(基板材料と同じ炭化物を形成する場合は除く)
    (3)融点が1000℃以上である。
    (4)室温から1000℃の範囲で相転移がない。
    (5)比較的広い面積を有する単結晶(エピタキシャル成長を含む)が得られる。
    (6)炭素と化学結合する。
    (7)室温から1000℃の範囲で固溶する炭素の割合が小さい。
    条件(1)は任意に定めた。条件(2)から(4)はダイヤモンド成長時の基板温度から定めた。(5)は大面積化の重要性から定めた。条件(6)は立方晶窒化ホウ素のホウ素面にダイヤモンドが核発生しやすいという報告(3)によった。また、条件(7)は、基板に固溶した炭素は固溶限界の温度依存性によって、成長時には低温部分に、成長停止時には表面全体にグラファイトとして析出することが推定されたことから定められた。(2)と(6)両立は一見矛盾のようであるが両立は可能である。
     (1)から(6)を満たすことが明らかである材料はニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムの5種類であった。さらに、(7)の固溶炭素量は、イリジウムで最も小さい値であった。
     イリジウムにおいて具体的に述べれば、結晶構造は面心立方でありミスフィットは+7.4%である。また、炭素との共存下で室温から2280℃の範囲で相転移はないこと、炭化物を形成しないこと、融点は2280℃以上であること、1000℃における炭素の固溶は高々0.1at%程度であることは2元合金の相図から調べた。エピタキシャル成長は基板を500℃以上に昇温することによって通常の真空蒸着法やスパッタリング法で酸化マグネシウムやチタン酸ストロンチウム等の表面に成しえる。触媒能を有し炭化水素は化学吸着、すなわち化学結合可能である。 以上の理由によって、ダイヤモンドのヘテロエピタキシャル成長に適した基板材料としてイリジウムが新しく選択された。
  3. 3.ダイヤモンドの成長方法

     エピタキシャルイリジウム薄膜の成長は真空蒸着法によった。基板には大気中で劈開された酸化マグネシウム単結晶(100)を用いた。成膜時の基板温度は750℃、イリジウムの平均膜厚は500nmである。
     ダイヤモンドの成長は三電極型直流プラズマCVD法によった。実験装置を図-1に示す。基板はプラズマ電位制御用のリング状グリッドの下約1mmの位置にある陽極上に置かれている。陽極および陰極は共にモリブデン製である。通常の成長条件だけではエピタキシャル成長したダイヤモンドの核発生が少ないことが分かっているので、エピタキシャル成長につながる核発生に効果があることが知られている基板へのイオン照射処理を同装置内で前処理として行った。バイアス電圧は接地電位に対して-270Vの場合に効果的であり、これは基板とグリッド間で放電が維持される最低電圧にほぼ等しい値であった。またその時、基板近傍の空間電位と基板電位との差である陰極降下は粗い見積もりでは150V程度であった。イオン照射処理が実際にイリジウム基板に与える影響は、表面の粗面化と無定型炭素の析出であることがX線光電子分光及び反射高速電子回折によるイリジウム基板の評価から推測されている。
     前処理時の反応気体は2%に水素で希釈されたメタンであり、その圧力は100Torrである。基板温度は900℃、処理時間は10分である。 ダイヤモンド成長時の反応気体は1%または2%に水素で希釈されたメタンであり、その圧力は200Torrである。また、基板温度は910~970℃である。

容量型湿度センサの酸、アルカリ、有機溶媒雰囲気での安定性

弊社では湿度センサーに関して次のような学会発表をしました。

:平成12年9月 日
:北海道工業大学
学会名:応用物理学会
鈴木一博(K.Suzuki)
礒谷はるな(H.Isotani)
澤邊厚仁(A.Sawabe)
(株)トウ.プラス(TO-PLAS corporation)
青山学院大学(AOYAMA-GAKUIN university )
  1. 1.はじめに

    様々な雰囲気での湿度計測の要求がある。スルホン系高分子(PS)を感湿材料として用いた湿度センサは空気以外にも酸素、メタン、水素雰囲気においても優れた特性を示すことを報告してきた。今回は、酸、アルカリ、有機溶媒を含む空気中での安定性を調べた。
  2. 2.実験方法

    PSを感湿膜とした電気容量型湿度センサを作製した。これらのセンサを人間に対する許容濃度、およびその100倍の濃度の塩化水素、アンモニア、酢酸エチル、エチルメチルケトン、トルエン、ジエチルエーテル、2-ブタノール、1.2-ジクロロエタン雰囲気に放置し、放置前後の30℃における相対湿度電気容量特性から安定性を評価した。
  3. 3.実験結果および考察

    許容濃度の雰囲気に4週間放置した場合には、いずれの場合にも明確な電気容量のドリフトは観察されず、その変化幅は相対湿度換算で±1%RH以内であった。表1に示す許容濃度の100倍の場合、塩化水素とアンモニアでは±1%RH以内の変化であったが、有機溶媒雰囲気では比較的大きな変化がみられる。この大きな変化は酢酸エチルとエチルメチルケトンの場合以外は真空熱処理等によって復帰できた。有機溶媒の場合のマイナス方向への変化は、有機分子による感湿膜の膨潤および水分子吸着サイトの占有によって、プラス方向への変化は双極子モーメントの大きい有機分子の膜内残留で説明可能である。

水素、メタン、酸素および減圧空気雰囲気における電気式湿度センサの特性

弊社では湿度センサーに関して次のような学会発表をしました。

:平成12年9月 日
:北海道工業大学
学会名:応用物理学会
鈴木一博(K.Suzuki)
礒谷はるな(H.Isotani)
澤邊厚仁(A.Sawabe)
(株)トウ.プラス(TO-PLAS corporation)
青山学院大学(AOYAMA-GAKUIN university )
  1. 1.はじめに

    様々な雰囲気での湿度計測の要求がある。スルホン系高分子(PS)を感湿材料として用いた湿度センサは空気以外にも酸素、メタン、水素雰囲気においても優れた特性を示すことを報告してきた。今回は、酸、アルカリ、有機溶媒を含む空気中での安定性を調べた。
  2. 2.実験方法

    PSを感湿膜とした電気容量型湿度センサを作製した。これらのセンサを人間に対する許容濃度、およびその100倍の濃度の塩化水素、アンモニア、酢酸エチル、エチルメチルケトン、トルエン、ジエチルエーテル、2-ブタノール、1.2-ジクロロエタン雰囲気に放置し、放置前後の30℃における相対湿度電気容量特性から安定性を評価した。
  3. 3.実験結果および考察

    許容濃度の雰囲気に4週間放置した場合には、いずれの場合にも明確な電気容量のドリフトは観察されず、その変化幅は相対湿度換算で±1%RH以内であった。表1に示す許容濃度の100倍の場合、塩化水素とアンモニアでは±1%RH以内の変化であったが、有機溶媒雰囲気では比較的大きな変化がみられる。この大きな変化は酢酸エチルとエチルメチルケトンの場合以外は真空熱処理等によって復帰できた。有機溶媒の場合のマイナス方向への変化は、有機分子による感湿膜の膨潤および水分子吸着サイトの占有によって、プラス方向への変化は双極子モーメントの大きい有機分子の膜内残留で説明可能である。

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