空気以外の気体や大気圧以外での湿度計測の要求が高まっている。このような雰囲気の場合、水分の気化熱や気体の熱伝導の変化を利用した湿度測定法では原理的に補正が必要であるが、吸着を利用した電気式湿度センサでは感湿材料によっては大気圧の空気中で計測された特性に補正を加えることなく使用可能であると考えられる。
そこで今回は、活性な化学吸着サイトを持たない有機高分子を感湿薄膜として用いた容量式湿度センサの水素、メタン、酸素および減圧空気雰囲気での湿度特性を計測し通常の場合の湿度特性との比較検討をした。図1(略)に減圧空気中での、図2(略)に水素中での湿度特性を示す。使用した湿度計の感湿材料はスルホン樹脂であり、その出力は予め露点計を基準として大気圧の空気雰囲気中で10%Uから90%Uの範囲で±2%U以内に調整されている。
減圧空気の場合は10−2Torrに排気された真空槽内にほぼ一定湿度の大気を導入すること、および油回転ポンプで排気することで湿度設定を行った。水素の場合は分流法を用いた。減圧下での加湿の場合および水素の場合は大気圧の空気における出力と一致しているが、減圧下での除湿の場合には最大4%U程度の差が観測される。この差は、大気圧の空気の場合のヒステリシス幅の数倍程度である。また、この差は油回転ポンプに吸い込まれた気体がローター一段あたり約1000分の1に圧縮されることに起因して水蒸気のみが凝縮し排気速度が変化したためと考えている。従って、感湿材料にスルホン樹脂を用いた容量式湿度センサは減圧空気や水素雰囲気で湿度計測が可能であることがわかった。
